つくった話 / いっこふえた

初めての広告アプリ、2度の却下と「広告ゼロ」まで

点が1個ふえるのを当てる記憶ゲーム「いっこふえた」は、私にとって初めて広告を入れたアプリです。ATT、課金の契約、アプリ名、公開後の広告ゼロ。つまずいた順にまとめました。

LTV Games 開発者 ・

このゲームいっこふえた→

はじまりは「広告収入を見込みたい」

電車の一駅、2〜3分でできる暇つぶしゲームを作りたい。今回は広告収入も見込みたい。2026年8月19日、そんなお願いから始まりました。開発スタッフが5つの案を出してくれて、選んだのが「いっこふえた」です。

遊び方はシンプルなんです。3〜14個の点がパッと光って消え、もう一度出たときに1個だけ増えている。その点を親指でタップします。決め手は、ゲーム側がいちばん軽いこと。本当の難所は初めての広告導入なので、手間をそっちへ回したかったんですよね。

市場調査の結論は、正直「厳しい」でした。それでも、上位のアプリに広告を消す課金が無く、低評価のレビューに「課金でいいから広告を無くして」と残っていた。そこで最初の版から「広告を非表示」の課金も入れることにしました。年齢区分は13+で、広告を入れない知育アプリとは分けています。

広告を入れるために作ったもの

バナーはホームと結果画面の下だけ。遊んでいる最中の画面には置きません。指の近くに広告があると誤タップが増えるからです。全画面広告は「もう一度あそぶ」を押したときだけで、初回は出さず、2プレイに1回・90秒あけて・1回の起動で4回まで。不適切な広告を知らせる窓口も付けました。

ここで最初の落とし穴。広告の効果計測に要る識別子を50件並べたのに、末尾の「.skadnetwork」が抜けていて、1件も認識されていなかったんです。審査は通ってしまう種類の不具合なので、提出前の検査に入れました。9月3日、課金と一緒に審査へ出しています。

1度目の却下は、ATT と見えない購入ボタン

9月8日、Guideline 2.1 と 2.1(b) で却下。ひとつは「追跡の許可を求めるダイアログ(ATT)が見つからない」。調べると、広告の部品は ATT を使うと宣言するだけで、許可を求める処理はどこにもありませんでした。説明文には「ATT対応」と書いていたので、書いたことと実装が食い違っていたわけです。ATT → 同意 → 広告の開始、の順に直しました。

もうひとつは「広告を消す課金が見つからない」。価格が取れたときだけボタンを出す作りで、審査の環境では消えていたんです。価格が無くても常に出すようにしました。

Apple が求めたのは、新規インストールから ATT が出るまでの実機の画面収録。私は設定でトラッキングをオフにして撮ろうとしたのですが、何も出ません。ATT は、アプリを削除して入れ直さないと出し直せないんです。撮り直して返信しました。審査メモが上限の4000字を超えていて、更新が一度も届いていなかったことも、ここで見つかっています。

2度目の原因は、コードの外にあった

9月22日に出し直し、翌日また却下。今度は「REMOVE ADS を押したらエラー」と、英語のストア名と端末の名前が違うという 2.3.8 でした。原因は有料アプリ契約が未署名だったこと。初めての課金アプリで、契約の状態はスクリプトからは見えなかったんですよね。同じ日に手続きを済ませ、英語のストア名も「いっこふえた Nova Dot」に揃えました。

審査は英語の端末でした。追ってみると、ボタンは英語なのに、押したあとの「復元できる購入はありませんでした」などが日本語の直書き。復元のボタンは審査でほぼ必ず押されるので、ここ、けっこう大事なんです。購入まわりの文言を端末の言語に合わせ、「いまは購入の準備ができていない」と「購入の失敗」も分けて伝えるようにしました。

それでも手元の端末では商品が取れません。設定画面に「しんだん」を足して読むと、Apple 側に商品が無いという答え。確認できないまま、その事実を返信に書いて9月25日に再提出し、9月27日に承認されました。

公開したのに、広告が1件も出ない

翌日、遊んでみると広告が出ません。広告の要求は204回出ているのに、表示は0回。AdMob でストアのアプリと連携していなかったんです。連携して、app-ads.txt も公開しました。ただ、置き場所になる開発者サイトのURLが、配信中の版には後から足せない。そこで 1.0.1 で入れています。課金は公開後の実機で動きました。

1.0.1 では、ライフを増やして続けるリワード広告もやめました。私がしたいのは「もう一度はじめから」の方だったので。

広告アプリをつくりたい人へ

  • 課金を入れるなら、企画の時点で App Store Connect の「ビジネス → 契約」を見ます。未署名だと審査でも購入できません。
  • ATT は自分で許可を求めないと出ません。ATT → 同意 → 広告の開始、の順にします。出し直しは削除して入れ直します。
  • 購入と復元のボタンは常に見せます。押したあとの文言も端末の言語に合わせます。
  • 審査メモと説明文は、提出前に実装と突き合わせます。上限の4000字も確かめます。
  • 開発者サイトのURLは最初の提出から入れます。公開したらすぐ AdMob のストア連携と app-ads.txt を済ませます。

この記事は、開発中の記録をもとに書いています。開発スタッフには AI のツールも含みます。

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