つくった話 / あとからロボ

1拍おくれのロボ、「似ている」で却下されて配信まで

赤はいまの指示、青はひとつ前の指示で動くパズル「あとからロボ」。2日で6本を出して4.3(a)で却下され、遊びを1段深くして出し直すまでの話です。

LTV Games 開発者 ・

このゲームあとからロボ→

はじまりは、前作のとなりから

あとからロボを作り始めたのは、2026年9月5日です。前作のパズル「こだまの庭」に続いて、もう1本パズルを作ろう、というところからでした。最初の版は、開発スタッフと一緒に組み上げています。

企画の核は「先読み」なんです。ひとつ前の操作が、次の状況に効いてくる。赤い1は押した矢印へ、青い2はひとつ前に押した矢印へ、それぞれ1マス動きます。青は最初の一手だけ待機。壁や盤の端では足踏みしますが、押した指示はちゃんと覚えています。2体が同時に、同じ番号の充電台に着けば成功です。

とはいえ、企画の記録では、新しいかどうか、多くの人に受けるかどうかまでは保証していません。そこは初めて遊ぶ人の試遊で確かめる、という扱いでした。

1,280通りを、ぜんぶたどる

盤は4×4。赤の位置、青の位置、ひとつ前の指示。この組み合わせは最大1,280通りあります。これを全部たどって最短手数を出し、解ける状態からだけ問題を選びました。48ステージの最短手数は、別に書いた探索とも突き合わせて、一致を確認しています。

1問目は右を2回、2問目は右を3回で解ける並びにしました。「遅れ」と「足踏み」を、順番に体験してもらうためです。ここ、けっこう大事なところでした。

画面は6つの大きさで確かめています。横のはみ出しが無いこと、方向ボタンが44px以上あること。測ってみたら、ある大きさで操作バーが下へ回り込んでいたので、そこも直しました。ストアに同じ名前のアプリが無いことも検索済み。ただ正直なところ、実機での確認と初めて遊ぶ人の試遊は済まないまま、9月6日に審査へ出していました。

1拍のずれを、どう伝えるか

このゲーム、1拍のずれが初見で伝わらないと、遊びが始まらないんですよね。そこで音や触感、ヒントまで全体を磨き直し、なにより最初の説明を足すことにしました。初回だけ開く5ページの説明で、小さな盤の上をロボが動くところを見せています。

音と振動も、ずれに合わせました。青の2は0.09秒遅れて動き、1がひとつ前に鳴らした音を低く鳴らします。振動は「トン…トン」と2回返ってくる仕掛けです。ヒントは3段階。考え方と残り手数、次の一手、3手先まで、と少しずつ明かしていきます。

72面すべてで、光った矢印だけを押すと最短手数ちょうどで解けることも、テストで確かめました。で、ここで見つかったのが、それまでのテスト6件がすべて失敗したまま、誰も気づいていなかったこと。直して、11件に増やしています。

難しさの設定も作りました。簡単にも、難しくも遊べるように、という狙いです。問題は固定なので、変えるのは助けになる表示の出し入れだけ。青が次に動く場所の予告を隠すと、ぐっと難しくなります。

却下の理由は「似ている」

9月6日に出したあとからロボは、Guideline 4.3(a) Design: Spam で却下されました。Apple の指摘は、他の開発者のアプリとバイナリ・メタデータ・コンセプトが似ていて、違いが小さい、というものです。

実はこのとき、同じ雛形から作ったアプリを2日で6本出していたんです。そのうち3本が、同じ時刻に却下。記録を見直すと、別のアプリと説明文の締めくくりがほぼ同じで、スクリーンショットの構成も同じ型でした。

異議より、中身を足す

私が決めたのは、異議は申し立てず、中身を変えてから出し直すこと。足したのは第2章「部品をひろう」の24問です。部品はどちらのロボが踏んでも拾えます。だから、ひとつ前の指示で動く青に、通りすがりで拾わせる組み立てが要るんです。

状態は10,240通りに増え、最短手数とヒントも部品込みで解いています。第1章の48問は、初版から1問も変えていません。

途中で、落とし穴も見つかりました。保存データの確認がステージ番号を48までに限っていたので、そのままだと49問目以降の記録が黙って捨てられるところだったんです。

説明文は、ほかのアプリと共通の定型句をやめて書き直し。スクリーンショットは5枚から7枚にして、第2章を中ほどに置きました。審査メモには、却下後の変更点を英文で書いています。説明文の「★」が受け付けられなくなっていたので、そこは言い換えました。

そして実機で確かめて、9月21日に出し直し。9月23日に承認されて、配信が始まりました。あわせて、別のアプリを直近14日以内に出していたら止まる検査を、提出前のチェックに入れています。

これからアプリをつくる人へ

  • 同じ雛形から作るなら、間を空けて1本ずつ出します。説明文やスクリーンショットの型も、アプリごとに変えます。
  • 却下されて中身を足すときは、そのゲームにしかない仕掛けを深める形にしました。あとからロボでは、ひとつ前の指示で動く青に部品を拾わせる章を足しました。
  • 問題や保存の形を変えるときは、今ある記録が壊れないかを全問で突き合わせます。
  • テストは「通った」ではなく「実際に走ったか」を見ます。審査に出す前に、実機でも触ります。
  • 出し直すときは、審査メモに何を変えたかを書きます。

この記事は、開発中の記録をもとに書いています。開発スタッフには AI のツールも含みます。

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